一杯の至福




わたくし、じつは家でお茶を淹れるとき、お湯を沸かしながら、エネルギーを入れたり、波動を調整したりして、おいしいお茶を作るというささやかな趣味があるのです。

今夜、かつてないほど、美味しいお茶が出来てしまいました。



うまくて一瞬、頭と体がぼぅーっとなります。飛びかけます。

口当たりの一瞬、仄かに漂うような心地よい甘さが広がり、からだや心に染み込むように体内細胞へと滑り落ちていくのです。

すばらしぃ… 自画自賛ながら、もはや芸術の域。



口をつけるたび、胸の中に拡がる熱い温もりに、まるで大きな愛に抱かれるように包み込まれ、私という実存のここにある全てを慈しむ。

恐れを抱いたことのない、かつての羊水の記憶を呼び起こします。

甘い悦びと、微かな痛みにも似た様々な感情と感覚に、翻弄され、落ちて行くのです。

そして目を開くと、ただ、充たされた安堵と充足感が支配する世界。



一杯のお茶の中にすら、よろこびの全てを見つけ出すことが可能だと知りました。

もはや望むものもない。

幸せに至る道のなんと多いことか。

手を伸ばせば届く豊かさと恵みに、深く々々感謝をささげます。



よき夜を。








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