渓谷の光



白い絵筆が蒼天を掃いて 

真昼の蜘蛛が微睡みで光を紡ぐ頃

戯れに興じる若い詩弾きは

思惟の実を集めて草間に投げた


オリオンが落とす言葉を拾い

星枝の鳴らす音に導かれた渓谷の先は

かつて見た地平によく似た

碧落の空と拓けた大地









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