財布を盗られた。
ぐはぁやられた。大ダメージ。
まぁ、電車に荷物を忘れた私も悪いのだが。
いろいろ面白い体験をした一日だった。
午前中の花の講座のあと、うちに帰るのに一駅分、電車に乗ったのだが、降りたら二つあった荷物が一つしかない。
あれ、なんでバケツしか持ってないんだ自分?
お花道具一式と書類、現金諸々、丸ごと何処かに置いてきたようだ。
本でもゲームでも集中すると、周りが見えなくなって、そのとき自分が何処にいて何処に向かっていたのかも、よく忘れちゃったりするので、まぁ電車に忘れたんだろうと思い、その場で駅の係員に荷物の特徴を伝え、見つかったら連絡してもらうことにして、午後の用事へ移動。
途中ひょっとしたら乗った駅のホームに忘れたかなという可能性を考慮して、行きがてら車窓から見てたのだが、すれ違う電車に隠されて、いまいち確認できず。
午後は妹の新しいおうちを見に行ったのだが、家族と一緒に夕飯を食べる暇もなく再び駅へ。
今日のうちに沿線終着駅の、遺失物預り所に届いてないか見に行かねば。
南武線の端から端まで移動して、預り所へ確認に。
やはり届いていない。駅からの連絡も未だなし。
時間も経っているし、探してもらってもやはりないようだ。
これは電車の中ではないのか?
もう一つの心当たりである、手提げかばんを最後に持っていた駅に戻る。
ホームにはなし。
駅係員に尋ねた所、ここで発見。
あったー。
中身の確認をお願いしますということで、確認。
ありゃ、財布だけ綺麗に抜かれているみたい。んーむ。
しかも状況を確認した所、持って来たのは掃除のおじちゃんで、しかもトイレの端にあったということ。
誰かが、ホームで見つけて、トイレまで持っていって、財布だけ抜いて持ってでて、残りを置いていった模様。
とりあえずは、かばんと道具一式戻っただけでもよしとすべきか。
しかし、来月分のお花代含め、預かり金、お釣り用現金諸々、3万3千円弱くらいがそっくり持ってかれた。
これだけお花で稼ぐのは大変なのよ。2か月分くらいよ。
カード類がなかっただけましだけど、分けてあった小銭入れまで持ってくかね。
まぁ札の入った財布くらいは出来心も涌くかもしれんけど、小銭まで持ってくってちょっとやり方があざとくないかな。
おにいさん軽く怒ったよ。
あの小銭入れはNZランドで買った、なめし革のハンドクラフトでお気に入りなのに。
かばんの残留思念から逆探して、軽く呪いでも送ってやろうかとも思ったけど、まぁ、思うだけにした。
それよりもこの出来事の意味を考えた。
思えばお金を落としたことはあっても、盗まれたことはなかったかもしれない。
落としても、たいがい無傷で帰ってくるし。今回は非常に珍しい事態だ。
しかし自分の身に起きた以上、自分の現実であり、その創造の責任がある。
これは何のチャンスだ?
お金のカルマは自分にもないでもないし、これで諸々清算されるならむしろ安いのでは。
そうすると盗んだ人には悪いことをした。同情はしないけど。
こんなわずかなお金のために、自分の魂を穢させてしまった。
その方が、その役割をしてくれたことで、私のカルマが禊がれたと考えよう。
もういいや。これは手放して、以後正直に生きていこう。ありがとう。
と思ったところで、駅の係員の方に、警察に一応被害届けを出すように勧められた。
それも経験なので、最寄の交番で被害届けを書きに行った。初体験。
ところが、行ってみるとお巡りさんが渋い顔。
被害届けってのは、その被害について捜査してくれって依頼だから、何か証拠がないと警察は動けないんだそうだ。
駅にカメラか何かはなかったのかということで、ご丁寧に一緒に付いて来てくれた。
初めて警察の人に好感を持った。
そして一緒に駅の奥の部屋に通される。おお、ここが緑の窓口の内側。
知ってました?あの窓口の裏にはマイクが付いてて、丸い小さな穴の開いた窓に、外からお客さんが話しかけると、拡声して中で大きな声で聞こえるようになっているのです。
道理で声が聞き取りにくい人の対応もできるわけだ。
そこで監視カメラ映像の確認。自分が映っているとこからスタート。
いやぁ悪いことは出来ないね。人の流れが全部映ってたよ。
改札からトイレの入り口を映した、数時間分の映像を警官と二人でチェック。
掃除のおじさんが、件のかばんを持って改札に現れたところから、巻き戻ってまたチェック。
しかし、人の流れが多すぎて、肝心なところで、誰がかばんを持ってトイレに入ったかは確認できず。
確認できても、映像が小さいので、個人を特定できるか分からず、証拠としては不十分だとのこと。
気の済むまでチェックして、警官と駅係員にお礼を言ってその場を出る。
ちらりとでも映像に映ってたのなら、エネルギー的には個人を確認できるので、報いを受けさせてやれるのに、などと物騒なことをつい考えてしまったりしたので、結果的には見つからなくてオーケー。
見つけていたら、意図せずに念を飛ばしてしまったかもしれない。
せっかく清算したものを、みすみす汚すことのないように、見つけられないことで守られたのだろう。それもまた計らい。
それなりに面白い体験だったので、記録として記す。
お金というのは怖いものだと思った。感情が揺らされる。
しかしまぁ、それもなんということはない、ただのエネルギーの流れの一つにすぎない。また稼げばいいだけのこと。
手段が価値を伴なうと、それが目的にすり替わったりして、惑わされる。
そんなものに揺らされてやるのも嫌なので、体験から理解を得たら手放すことにする。
文字通りの授業料として、今回は進もう。
まったく、いろんなことが起こる。
この程度で済んでよかった。ありがとう。
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