口蹄疫騒動の実際・祈り

 

「殺処分」って言葉で簡単に言われちゃうけど、なんて多くの命が徒に人間の都合で失われていくのだろう。

家族同然の動物達を理不尽に自分の手で殺さないといけないとしたら、本当にどんな悲しみだろう。

それで確実に自分の仕事がなくなると分かっていて、それでも国の命令で愛するものの命を自分で奪わないといけないなんて、なんていう不安と苦しみだろう。

この騒動に実際に関わった人々と命のために、少しでもできることをしたいとおもいます。









特集記事【激震 口蹄疫:宮崎日日新聞







以下転載

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書くべきなのか書かざるべきなのか・・・



以前書いた日記「あの母の瞳は閉じられた」の文中にある



さすがに書くことがためらわれるほどの心が冷える行為さえも現場では起きてました。





を、やはり書く事にしました。



畜産農家を、遠くから言葉でいじめるのは辞めて欲しい。

お前らのせいだとか、犯人扱いするのは、本気で辞めて欲しい

誰だって、一人としてなりたくてなった現実ではないのだから。。。

皆さんと同じ、家庭を持ち幸せに暮らしていた人達なのですから。







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「あの母の瞳は閉じられた」





先日、とある養豚農場で働く友人に会うことができ話を伺うことが出来た。

(もちろん、お互いに防疫対策を施したうえでだ)



数日前に口蹄疫感染の疑いが出て全頭処分が決定した農場である









彼は本当に豚さん達と真剣に向き合って肥育していて、口蹄疫問題が起きる前までは、いつも面白おかしく豚舎での話を聞かせてくれていた。





「ちょっと巻き毛の母豚がいてな。



俺には懐いてくれちょっちゃけどよ。一度マジ切れしてよ、思いっきり拳で殴ったら、自分の手は怪我したのに母豚は平然としやがって「ちくしょーー!(笑)」



こいつがさ、なかなか上手に水を飲めなくて、いっつも俺が飲ましてやっててさ、



時々、俺のひざに頭をのっけて休むんよ(笑)200kgもある母豚やかい、頭だけでも重いっつどぉ(笑)。



たださ、こいつになかなか子供が授からんでなぁ、何度も受精させてやったんやけど、なんでかこいつだけ子供ができんかったっちゃわぁ。



「お前どうしたっかぁ。ごめんなぁ俺が悪いんかもなぁ。女の幸せをあじあわせてやれんなぁ。子供産んでみたいやろう。次こそ頑張ろうなぁ。」言って、首に抱きついてあげたりしてたんだわ







でもよ!先月ついに受胎したことが分かってな。「やったーやったー!よう頑張った!!!やっとお前も赤ちゃんが産めるな(^^)」って、喜んでその母豚カードにでっかく「成功」って書いたばっかりやったのに・・・・













・・・・・もう殺さにゃいかんとよ。



自分の赤ちゃんを産ませてあげられんやないかい!!







どうすっとかい! 









・・・・ごめんなぁ。言うしかなかった



せめて今だけは、腹いっぱいエサ食えよ。って大量に準備してあげてるっちゃが。











子豚たちの蹄からは出血が始まり、上手に歩けなくなってビービー泣いている



母豚は乳首のところがただれ始めて真っ赤になって血を流しているのもいる。それでもむしゃむしゃエサ食うやつは食うんよ。





また、明日そいつらの所に行って、声かけてあげにゃいかんちゃろうけどよ。どんな顔して、なんて声かければいいっかえ!」









って、語ってくれた



数千頭の豚を養っているこの農場では、いまだに埋め立て地が決まらず殺処分はされていない。





しかし、もうすぐ真っ白い防護服を着た人達がやってきて、全ての豚が殺されていく









今日(5/11)までの発表では67例となり、殺処分対象となった家畜は計7万6852頭



川南町の人口はおよそ16,800人





すでに、私たち川南町民の4.5倍もの家畜が人為的に殺されていく。





それでも、今現在もまだ元気に生きている命ある者達に被害が及ばないよう、一人一人がしっかり考えた防疫を心がけていかなければならない。



消毒の徹底!をお願いします。







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殺処分の様子は、本当に地獄絵図のようだった。







獣医さん達が来て、一頭一頭、注射で眠らせてその後に、さらに注射で安楽死させると思っていた。



この養豚農場には、人間よりも大きな母豚が数百頭、青年豚がさらに多く、子豚が数千頭







口蹄疫の症状の出ていないまだ元気な豚もたくさん居る









「 何十人と獣医師が来たけどよ。かき集められた経験の浅い獣医師たちは、母豚を怖がってまともに注射も打てんちゃが



急所は首筋の血管なのによ、柵の外から身を乗り出して、お尻に打とうとするわ、バカじゃねーか!豚だって生きちょっし痛いから、ひょいとお尻を動かして逃げるわな。



しょうがねーかいよ、俺が柵に入って豚の首をガシって押さえつけてやる始末。

危険やっちゃけど仕方ないわ





首筋に注射を打つやり方を教えたっちゃけど、ダメじゃわ・・・



もう、豚の首は、突き刺した注射のあとだらけ、痛々しいわ。豚はギャーギャー暴れるわ





ちくしょーーちくしょーーー!もっと安らかに死なせてやってくれよ。



獣医師の免許をもっちょる奴しか、殺したらいかんかいよ。手がだせん・・・



かわいそうでよ





もちろん、ベテランの奴は上手いし、早くてよ関心するんよ。





でもな、みんな目に涙を浮かべながらも作業してくれてるし、手を合わせてくれる人もいる。





命を救うための獣医師がよ。

今まで、命を助けるために、動物に声をかけ、一生懸命働いてきた獣医師がよ・・・



この注射を打ったら、こいつが死ぬって分かりながら、注射を打ちこむんよ。

そりゃあ、人としてつらいし、心が痛いわなぁ。歯を食いしばるしかないのかよ!







俺はさ、もともと出荷のための豚なら、なんとかあきらめがつくんよ。出荷だと思えばいいちゃかい。



でも、母豚はよ。俺がこの農場に努めだしてからずっと面倒見てきたっと、性格もよく分かる。顔見りゃ名前も、出産した回数も、病気した時、エサを腹いっぱい食って喜んだ時。悪ん坊や、甘えん坊、気性の荒い奴、優しい奴、み~んな分かる。共に生活してきた家族やっちゃかい。





口蹄疫に感染してしまって痛々しい症状が出てる奴は、鼻や口の水疱が破けて痛いもんやからエサが食えんなっちょる。それでも腹はへるかい、えさを探すわな。豚は鼻が命じゃ。人間で言う手のようなもんで物を探るのは鼻で探るんよ。



痛いやろうに・・・



まともにエサが食えんかい。俺が手で食べさせてやってた。



鼻も口元も、蹄も乳首も痛々しいのに、俺を見つめる目はやさしくてよ。なんだか、向こうがごめんよ~言ってるみたいや。ありがとう言ってるのかなぁ(T-T)





注射打たれる姿に耐えられんで離れたところから見てたら、獣医師の腕をふりほどいて、こっちに走ってくっとよ。



ひずめが炎症起こして血を流してるもんは、痛いから立ち上がれんでずっと横になってギャーギャー言ってる。でも、立ち上がらせて殺処分するところまで連れて行かんと、重いかいよ。まず鎮痛剤打つっちゃわ。



したら、痛みが取れるもんじゃかい。ひょいっと立ち上がる。でも蹄からも血が出て、腐りよっかい





蹄が取れていくとど・・・赤くなった蹄だけが地面に転がってるんやど・・・



それでも、蹄が無くなった足で、俺の所に駆け寄ってくる





はやくなんとかしちゃれよーーーー!(T-T)









ある程度の大きさの奴は、電気で殺すっちゃわぁ



でっかい火ばさみみたいな物で、まず頭を挟んでな、スイッチを入れると高圧電流が流れ、失神する。

そしてそのあとに、胸の所を挟んで、心臓に電流を流すとガタガタガタとしびれて心臓を止めて殺すとど・・・かわいそうやんけ。



さっきまで、元気で、震えて泣きよったやつが。突然静かに死体となるんよ。





たださ、時々、その動かなくなった豚を運んでたり、穴の中に落とした時に、生き返って動き出すやつがおるんよ。気絶してただけなんやろうな。哀れでなぁ、また殺さにゃいかん・・・。









まだまだ元気な奴らはさ、どんどん穴ん中に落としていく、みんなで板を使って追いやって穴に落としていく。



一番下に落とされた豚たちは、熱と重さで圧死ししていくけどよ。後から後から落とされた豚は、どんどんジャンプして穴から必死に飛び出ようとするんよ。



その生きようとする動物の必死さにまた泣けてくっちゃがぁ(TへT)





その上からブルーシートをかぶせてよ、コンパネの板を上において、飛び出してこんように、俺たち人間が上に乗るっちゃわぁ・・・



それでん、下から・・ドンっ!ドンっ!て必死にぶつかってくっとよ。





ブルーシートの隙間からホースを入れて、中にガスを流し込むんよ・・・



すると、だんだん静かになってきてよ、しばらくするとシーンとなるんよ(T-T)



ちくしょーーーーーーー!







作業員達があちこちで、殺処分をしていってる

地獄を描いてる絵があるわぁ。鬼が人間をいたぶっている絵よ。あのまんまって感じ(*_*)





豚舎の中が、ギャーギャーって今まで聞いた事もないような泣き声があちこちから聞こえるかいよ。



赤ちゃん子豚が不安な様子でジッとしちょっちゃわ。





病気に感染した奴は、蹄から血を流して痛いし、おっぱいが飲めんかい

コロっコロっ死んでいく。





それでも、豚舎が違ってたりで感染していない元気な奴もいっぱいおる。





敷地が一緒やかいて、経営者が一緒だってだけで





殺さにゃいかんとか・・・



本当に、この子達も殺さにゃいかんとか!





・・・





周りの異常な雰囲気を感じちょっちゃろうね



ひょいっと両手で掴み上げるわ



すると、身体をグッと堅くして、不安げに身体をブルブル震えてるのが手のひらから伝わってくるとよ。





ごめんなぁ、ごめんなぁ。俺が泣き出してよぉ



その身体に注射針が刺されて、静かに、ぐったりと手の中で重みだけを感じる物体になる

さっきまで硬かった子豚の力が抜けて、何の力も入らない柔らかい物になるんよ。









もうどんだけの涙が流れ出たかわからん





あと、残ってた豚舎は、ウィンドレスの豚舎じゃかい・・・





せめて、安らかにと思うてかいよ



帰ってくる時・・・空気を送り込むファンのスイッチを切ってきた。









家に帰ってよ。風呂に入ってよ。飯はよう食わんかい。焼酎飲みながらテレビをみてるとよ





俺・・・いつのまにかボロボロボロ泣いてるっちゃわ









今頃、眠るように死んでってるんだろうなぁ・・・・。











お前よ。豚は言葉がしゃべれんけんどよ。もしもよ、お前の子供をよ、「なんで?」って言われながらよ。国からの指示やかい言うて・・・大好きなのに・・・手の中で殺せるか。」













まだ、口蹄疫の感染拡大は収まらない



今もまだ、毎日毎日、牛や豚が殺処分されていく



そして全ての農家で、こんな味わいたくもない体験を味わってる



なぜ、農場主や従業員が、中に入って一緒に処分しないといけないのか





せめて、優秀な獣医師や、テキパキ動ける自衛隊員をもっともっと送り込んでくれよ!_| ̄|○(泣)







地獄絵図と書いたが、中にいたのは鬼なんかじゃなく、愛情に溢れた人々でした。



全国にはたくさんの農家がある。



あまり消費者の目に届くことはないところで、私たちが安心して安全なものを食べていけるよう。精魂込めて接してきている人達がいる。私たちは彼らなしには美味しいものを食べることが出来ないのです。



農家の方々の愛情をいただいて生かされているようなもんなんですよね。





こんな時だからこそ、いつもより町内で買い物します。

こんな時だからこそ、宮崎産という文字が愛おしいです。

是非、みなさんも自分の地元で地産地消を心がけていただきたいものです。









発生から今日(5/18)で1ヶ月が過ぎました。



そして、今、131軒、11万8164頭の生き物の殺処分が言い渡されました。







これ以上の被害農家を出さないためにも、今、元気で生きている牛や豚の為にも



(一般の方々も)自分自身の意識を高くして、「徹底消毒」にご協力ください!!!m(_ _)m





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口蹄疫についてようやく全国区で報道がされるようになりましたね。

発生当初は"なぜか"報道規制がかかっており、マスコミ情報が全くと言っていいほど出なかったのです。

本来ならば国策でもっと早急な措置が必要だったのは誰の目にも明らか。

なぜこのような事態に陥ったのか、各自十分に考える必要がありそうです。

そして良識ある行動を今後とっていくしかないでしょう。



宮崎県の現地からの声がまわってきましたので、とりいそぎ以下転記させて頂きます。



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今、宮崎で牛や豚に「口蹄疫」という家畜の病気が大量発生しているのをご存知ですか?



口蹄疫はひづめのある動物だけに発症するウィルス性の病気で、人は感染しません。

また、感染した牛や豚の精肉が市場に出回ることはありません。

仮に食べたとしても人体への影響は全くありません。

宮崎の私達は、牛肉も豚肉もばんばん食べています。

報道規制であまり知られてませんが、情報検索で現状はわかると思います。

口蹄疫は、感染が確認されたら殺処分です。

1軒に1頭でも出たら、同じ畜舎内の感染していない家畜も同時に全て殺処分です。

そして、感染は爆発的に広まっています。知事は非常事態宣言を発令しました。



宮崎は日本有数の農畜産大国です。松坂牛の5割は宮崎牛です。

宮崎の畜産は壊滅状態です。日本中の和牛を支える種牛のほとんども殺処分されました。

農家の方々は、収入が絶たれました。 全ての家畜を失った方々の大半は再建不可能だそうです。

そして、県も市町村も財政難から必要物資、防御対策が不十分な状態です。

消毒薬、注射針ほか、必要物資、獣医さん等の人材が全て不足しています。

農家の人は、消毒薬不足で「酢」を撒いています。

今、農家の方々にお金が必要です。

出荷できない、または処分の理由で収入が絶たれ生活費に困窮しています。

殺処分後の埋却地の購入資金も必要です。

必要物資(消毒薬など)の購入資金も必要です。



県に義援金窓口が設置されました。

また、発生中心地の役場にも支援金窓口が設置されました。

以下に、3窓口の振込先などをお知らせしますので、一人でも多くの方のご支援を心よりお願い申し上げます。



★宮崎県口蹄疫被害義援金(宮崎県を通じて被害畜産農家へ配分)ゆうちょ銀行口座

【ゆうちょ銀行でお振り込みされる場合】

記号:01740-9 番号:69998 口座名:社会福祉法人宮崎県共同募金会

【ゆうちょ銀行以外の金融機関からお振り込みされる場合】

金融機関名:ゆうちょ銀行 店名:一七九店 店番:179 預金種目:当座預金

口座番号:0069998 口座名:社会福祉法人宮崎県共同募金会



★最も被害の大きい川南町、都農町の役場

①川南町役場 

尾鈴農協 本所 普通 0088983 川南町口蹄疫対策支援金川南 町長 内野宮正英

②都農町役場 

尾鈴農協 都農支所 普通 0049251 都農町口蹄疫支援本部 代表 河野正和 』



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追記*******************





多くの方々からの温かいコメントありがとうございます

見知らぬ方々からの多くのコメントに本当にありがたみを感じてます。



ただ、それとともに怖さも感じてます。



宮崎産、川南町産と書かれた野菜が売れなくなってきています

農畜産で生きてきた町です。



どうか、みなさま「何もできませんが」と言わず



皆さんが食べている食べ物が全て外国産に変わってしまう日が来る前に、今でこそ意識して食べてください。



食卓へ上がる牛肉、豚肉に口蹄疫感染したものは含まれません。こちらの肉類は一切移動できていないので、流通していませんし、まかり間違っても人には感染しません。



そのために、畜産では、無収入の町となってしまってるわけですので(T_T)



本当に安心して食べてください。





同時に、野菜農家にも影響が出て来ております。

天候不順もあり、ほぼ外国産に入れ替えられてしまったことと、宮崎産というだけで買いたたかれているんじゃないでしょうか?





多くの日本国民の皆様に出来ることがあります。とても大事なことです。



日本産の牛肉、豚肉、お野菜を、意識して食べてください。



それだけで、日本は守られ、私たちの町もいつか復活できるはずです!





お願い致しますm(_ _)m









転載に関して



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私が伝えたい事は、現場の悲惨さはありますが、今まで家畜と共に生活してきた農家の方々の愛情を知って欲しいと思い書く事にしました。



決して、政府批判でもなく、対応の悪さについて言及するものではありません

転載されるのは構いませんが、間違った方向にもっていかず



私たちと同じく、何気ない生活を楽しんできた農家の方々の愛情をお伝えくださいませm(_ _)m

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以上、転載大歓迎です。

必要なところへ必要なだけのエネルギーが届きますように。

ありがとう。















 

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