ブーゲンビリアの導き



『〝そのうち〟なんて当てにならないな。いまがその時さ
人の目なんか気にしないで、思うとおりに暮らしていればいいのさ
大切なのは、自分のしたいことを自分で知っているってことだよ』
スナフキン


不思議なご縁に導かれ、屋久島に移住が決定しました。
早ければ来年年明けには、遅くとも春前には家族で島に移り住んでいる予定です。

ニュージーランドもコロナでしばらくは行けなさそうですし、色々全てがちょうど良く導かれております。
(横浜サロンも現在売り出し中になってますので、ご興味ある方はご相談ください)


実はこの夏で息子が3歳になりました。
私自身が幼少期を海外で過ごしていたので、3歳から6歳の時間の大切さは身に染みて理解しています。
彼の今の一年は、私達のそれとは比較にならない影響力を持つものです。
それは世界に対する基本的な信頼や、センスオブワンダーを育む時間になると信じています。

屋久島にはここ6年ほど、度々訪れていました。
多い時は年に3回くらい。
家族を持ってからも毎年必ず行くようにしていました。

人のいない自然の中では、人の目には見えない色彩と、聴こえない音がたくさんあります。
それらがまだカタチを持たないエネルギーのまま、器から溢れた生命そのもののように充満しているのです。
多分そういう静寂の中にこそある見えない力が、人の内の透明な部分を充たす力を与えてくれているのだと思います。
透明な水で満たされた心はいつか、曇りなく世界を覗く透明な目を与えてくれます。
それは宇宙や人に対する基本的な信頼を育んでくれるものになるでしょう。

突き詰めれば人のニーズはすべて、自然から人が得てきたものの代用品です。
少なくともそうでないものを、結局私は都市生活の中で見つけられませんでした。
そんなこんなもあって、私達は繁く島に足を運んで来ました。


前回訪れた時、友人宅で彼等の仲間の訃報を知りました。
写真には、南国の花が開いたような、明るい笑顔と存在感を持った女性が写っていました。
生前直接彼女にお会いしたことはありませんでしたが、逢えていたのなら仲良くなれただろうと容易に想像出来ました。

彼女は普段東京に住み、自身の主催するヨガリトリート等のために、度々島に滞在されていたそうです。
後日その東京のおうちの遺影を、彼女らしい華やかな南国の花で飾って送り出してあげてほしいと、屋久島の仲間たちから依頼を受けました。

大きなお花の仕事の依頼です。
会ったことはなかったけど、なんとなく彼女を他人とは感じられなかったので、快諾しました。
僕らからも何かしてあげたかったのです。

初めて写真を見たときから、彼女の色の印象は決まっていました。
圧倒的な深いピンク、ゴールドオレンジ、サンライトイエロー。
咲き乱れる南国の花々の楽園。
溢れ出すようなブーゲンビリアのピンク、ハイビスカスの赤、ヘリコニアや極楽鳥花やクルクマの鮮やかな色彩。

この季節に仕入れるのは正直難しいかと思っていましたが、二件目で見つけることが出来ました。
溢れるばかりの鮮やかなディープピンクのブーゲンビリア。
イメージ通りの色!

製作。移動。組み立て。完成!




予算は大幅に超えたけど、満足のいく仕事ができて、彼女にも仲間たちから預かった何かを手渡して送り出すことが出来た気がしました。

お金でない何かがきちんと循環したときは、螺旋が一つ上がってより大きな輪につながる感覚があります。
宇宙に届く心ある仕事をしたときは、それはきちんと受け取られているのです。
それはその時には気が付かなくても。


ところで私達は夏の終わりからずっと屋久島のおうちを探し続けて来ました。
不動産サイトを隈なくチェックし、理想の間取り図を描き出し、壁に貼り、そこに暮らした場合に見える景色、感じる風をイメージし続けて来ました。
ちょうど一ヶ月後、それは思いもよらぬ形で現れたのです。

亡くなった彼女のご両親が、屋久島で彼女が使っていた別荘の整理に訪れた際、「この家どうしようか」と何とはなく呟かれたそうです。
そこにちょうど居合わせた花の仕事を依頼してくれた友人が、私達のことを彼らに話してくれました。
東京の彼女の遺影を飾ってくれたご家族が、屋久島に家を探していると。

あとはスムーズに一両日中に話が進み、屋久島のおうちが決定しました。
動くときは天が後押ししてくれます。
ありがたいことです。
生かされていることに感謝します。


そんなわけで、今回年末年始に屋久島に行き、必要なものを確認して一旦戻ってきたら、春までにはお引っ越しとなりそうです。

したがって丸5年営業しました「旅人の樹 横浜元町サロン」は屋久島に移転となります。
旅人の樹の18年目は意外にも屋久島サロンにて皆様をお迎えすることとなりそうです。

よろしくお願いいたします。


(彼女のご家族のご好意で、今回のあらましの掲載許可をいただきましたので、こちらに載せさせていただきます)








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