偶さかの虹

 

ここから先は、過去の続きでない場所。
そういう一つの、時の輪を閉じる為の旅。

あらゆる執着が、感謝と共にゼロに還り、愛と共に天に帰る。
宇宙の最小単位にまで還元された想いは、耀く光の粒となって、永久に世界を廻る風になる。
その時私は カタチを超える意思となって、一つの宇宙を纏うだろう。

あるべき道はきっとすでに在って、人はそのすべてを識ることは敵わず、なお引かれる手と押し出す風に背を押され、惑いながら霧中を歩く。
いつかたどり着いた場所から振り返れば、歩いた道の雲が晴れて見える日に、出会うのかもしれない。
厚い雲間から射す光の描く、偶さかの虹のように、想像を越えた振幅の向こうから、我等は最初から見守られている。
どうかあなたが、いまもいつまでも、幸せであるように願う。

あなたのいるこの世界が輝く光の粒に変わって、この霧がただの夢であったとしても、その道の交わりと共に生きた時間は残る。
光芒の照らし出した道のりの確かさを頼りに、祝福を纏って歩く。





 

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