星の廻る音


夜、うっかり子供と一緒に寝てしまうと、早朝目が覚める。
家人を起こさぬようにウッドデッキに出て、アウトドア用の折り畳み椅子を広げる。

明け方ともなれば、天は冬の星座に変わり、別の季節のようだ。
オリオンは既に上がり、シリウスは東の30度付近。
水平線には薄く雲が掛かっている。

別の時間は、別の景色が見えている不思議。
地球が自転すれば、見えている銀河の方向が変わる。
冬の天の川が薄く細いのは、銀河の内側から外側を見ている時間だから。
それは地球という乗り物が、今も動いている証。

昼間とは違う、高く澄んだ虫の声。
遠く聴く海。

海が動くのは、地球が廻っているからだろうか。
目を閉じたまま、最も遠くの音を探してしまう。
海鳴りが星の自転する音なら、銀河の廻る音だって聴こえるかもしれない。








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