孤独と愛について







先日、夜の散歩に出てメモした思索。

久しぶりの観想(テオリア)です。



存在の本質的な孤独と、愛についての覚書。







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眠れぬ夜は歩く。

淋しさにも似た空白が心に広がって、夜気が空と体を満たしている。

そんな夜は、宇宙に呼ばれるように外に出て、部屋に戻りたくなくなる。

心地好い風に吹かれる夜の道は、どこまでも続いているような気がする。



誰もいないこの時間が好きだ。すれ違う者もない時と場所。

少し高い橋の上から、遠い街の灯を眺めている。

なぜか、これが見慣れた町だろうと、初めて来た異国の景色だろうと、きっと同じ気持ちになっただろうと思った。




あの灯りの一つ一つは、きっとどこかの誰かが関わっている存在の証。

僕らの存在の、本質的な孤独を思う。

普段はわざわざしないのに、ふとここにある何かを残しておきたくなって、書いてみている。



薄く掛かった雲の向こうに、わずかに見えた星がある。

星は、黒いベールに開いた、小さな穴のようだ。

その無数の穴から、向こう側の光が漏れ見えている。



魂は、空から零れた光のようだと思った。

空の向こうは、一つの本質の世界。

僕らの魂は、それらを覗く穴から漏れた、いくつもの小さな光。

互いが離れて光る、同じ源の光。



存在の孤独は、星のように僕らが離れているため。

だから互いの放つ幽かな光を頼りに、その奥深くへ一つに還る道を探している。

お互いを覗き込み、かつて一つであった源へとつながろうとする。



一体を希求する心を何と呼ぼうと、人は心の底からお互いを分かち合うことを求める。

それが乾いた願いとなっても、求め続けるうちには決して辿り着けない場所がある。



愛されることを望み過ぎる者は、愛することが出来ない。

乞い願う心は誰もいない世界に住み、扉が敲かれるのを待っている。



ではどうすればいい?





内から答える声が言う。



「愛は自らを開くこと。

それは与えることによってしか開けない、外開きの扉のようなもの。



そうすることによって、人は自らを宇宙に開き、本質と無限の中心へとつながることが出来る。

そのとき、あなたの中心は宇宙の中心となり、一体となる。



求めることによってではなく、ただ愛することによって愛しなさい。

愛があなたの内から出るに任せて、取引せずに与えなさい。



泉のように湧いて来たものだけを、与えることができる。

無理に汲み出そうとせずに、あなたの本質に問いかけなさい。



心から与えたいと思うもののみを、深く純粋な気持ちから与えなさい。

そうすれば、その心は相手の奥深くへと届くだろう。



己の心に素直でありなさい。

どんなときも、あなた自身でありなさい。



率直にまっすぐでいて、曇りなくありなさい。

誰のためでもなく、あなたの心に誠実でありなさい。



心が曇りを持たず透明なら、あなたの声は、言葉は、誰も傷つけたりしない。

魂の声に忠実であるなら、生命と宇宙の本質はあなたを決して裏切らない。



それが宇宙の理、それが愛だ」





どうしたら愛であれますか?





「愛は自分自身に率直であること。

ウソがないこと。真実であること。透明であること。



わだかまりがなく、まっすぐに表現すること。

そしてそれを失わずに生きることによって得られる。



もう一度、心から開き、愛したいと願うなら、自分を通して受け取るもの、表現されるものを決して否定しないことだ。



あなたが否定してきたものは、すべてあなた自身の一部だ。

目に映るものの一つ一つは、すべてあなたの心を映している。



一つ一つを手に取って、慈しむように愛することができたら、あなたは自分自身への否定や葛藤から自由になれるだろう。

そうすれば、あなたは心の底から、誰かとお互いを分かち合えるだろう。



お互いの中に真実を見つけたとき、互いの奥にある本質が分かち合われ、そこにバランスが生まれる。

宇宙はそうやって調和を育んできた。



あなたがたはそうやって、お互いを知り、真実を分かち合う。

お互いを通してしか、自分自身と宇宙の本質を知ることはできない。



だから愛を求める。

愛だけが、分離しているそれぞれの存在を、一体へと繋ぎなおす道だからだ。



離れていることが、互いを求めさせ、求めることによって、互いを一体へと還させる。

それが宇宙の呼吸であり、ギフトだ。



どうか悲しみではなく、優しい願いとして、あなたが孤独と愛を受け取れるように。

そこから、あなた自身の本質へと還る道を見つけられるように。



いつもここにある愛に、どうかあなたが気が付き、受け取れるように」





 





静かな川面を風が撫でていく。

気がつけば星は薄明に沈み、虫の音がまた響き始めた。

私達は決して、この世界で孤独ではない。





ありがとう。





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2 件のコメント :

  1. はじめまして。Strongswingsくんのご縁でこちらにたどり着きました。
    愛ということがよくわかりませんでした。今までは。
    近頃、ある人を本当に愛したみたいです。
    自分が幸せにしたいということを超えた先にある、その人の幸せを祈るこころ。
    そして、
    与えきりの愛というものが周りの人を幸せにしていく。たぶん自分自身が一番幸せだからですね。
    そうやって循環が起こっていくのですね。
    これからもブログ拝見したいと思います。
    ありがとうございます。

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  2. キヨです2019/10/07 13:52

    宇宙からの 人体に与えられし しずく
    涙と呼ばれるしずくが あふれました
    真実だけに なるんですね
    音色が響きました
    ありがとございます

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