怒りに気付く 偽りを見破る



清水友邦氏のユーチューブ・インタビューより転載。
根本的な人類の課題パターンを分かりやすくまとめた良文でした。

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深く傷ついたひとほど本当は愛に飢えています。

現代人は思考に依存している為に、身体の反応を理性で押さえ込む事が多くなっています。

情動(感情エネルギー)がうまく発散出来ないと、やがて神経系統の中に閉じ込められたエネルギーが噴出します。

嫌だ嫌だと思いながら、自分を大切にしない人と我慢して一緒にいるうちに、突然心が切れて関係性が破綻することがあります。

嫌われたくないと思って、相手が喜ぶことを我慢してやり続けているうちに、ある日突然、なにもかも、めちゃくちゃにしたくなる衝動が起きて、関係性が終わってしまうこともあります。

怒りをうまく発散出来ないと、神経系統の中に閉じ込められたエネルギーの圧力は高まります。

それが鬱積し噴出して、攻撃性が外に向えば社会的な関係性の問題が発生し、内部に向かえば免疫などの自己治癒のシステムにダメージを与えてしまいます。

私たちは関係性の中で様々な感情に巻き込まれると、怒りという方法で逃げてしまうことがあります。

しかし、怒りを表現しても「気づき」がない状態で起きている為に感情を爆発させても緊張は解消されません。

気づきがない状態で、怒りを抑圧しても短絡的に感情を爆発させても、エネルギーの流れをせき止めているブロックは、解消されません。

泣くなという条件づけを受けた男性は、泣く代わりに怒りや暴力で発散します。

世界中で暴力の嵐が吹き荒れていますが、内側では愛を求めて泣いています。

怒りの奥には愛を受けとれなかった悲しみがあります。
悲しみの奥には無力感や恐怖があります。

愛を与える両親が子どもを深く傷つけます。

親は子どもの自由なエネルギーをしばしば制限します。
怒りは言葉で表現したり、物を殴る蹴る、などで緊張を発散する事が出来ます。
しかし親が暴力的で自分より強い場合に子供は報復をおそれておとなしく服従します。

子供はあるがままの自分を否定して親に気にいられるような自我を形成します。

そうして両親に嫌われない良い子の仮面をかぶり自分を抑圧してしまうのです。

子供の体は緊張し愛を感じる通路を封鎖してしまいます。
感情や心の痛みを抑圧するとエネルギーの流れは滞ります。
支配的な親に対して、歯向かった為にひどく罰せられ、親から傷つけられた経験を持つと親への愛と同時に怒りと憎しみの感情も混入します。
否定された愛は、分離して怒り、恐怖、悲しみとして記憶されます。
そして、大人になって恋愛して傷つき、愛が冷めて終わりを告げるとき、
否定的なエネルギーが上昇して愛は憎しみ、悲しみ、怒りに変わります。

怒りは分離された愛が表に出てきたエネルギーです。

湧き上がる攻撃的なエネルギーを、自覚し感じると分離していたエネルギーは統合されて、その人は変容します。

先住民は、荒野で一人になり断食と祈りの中で自分の恐怖、不安、悲しみ、怒りと向き合い魂と大地、共同体との繋がりを取り戻します。

アフリカのブッシュマンは、煮えたぎるエネルギーをヌンと呼んでいます。

部族の全員がダンスを踊ると、ヌンは体を熱く熱して背骨を上昇して、キアと呼ばれる癒しと変容の状態をもたらします。
鉛を金に変える様に、微細な身体があらわれます。

部族社会では危機に陥ったとき祭りをおこないます。火を焚きそのまわりで歌い踊って、エネルギーを発散させます。

祭という儀礼をおこなうことで不安や怒りを解消して、ストレスから身を守り、希望や勇気を回復して、心身の危機を克服します。
変容と統合とよばれる機能が、祭りにはそなわっています。

怒りと攻撃性は、エネルギーの上昇と爆発であり、誤用すれば破壊をもたらしますが、それを昇華すれば変容し死と再生をもたらします。

あらゆる人々が、心の安らぎを求めて努力をしています。

本当の安らぎは、怒りと悲しみと恐怖、絶望と無力感の只中にあります。

いまここにあります。

怒り、不安、恐怖、心痛、わたしの思考、あらゆる現象に実体はありません。

すべては関係性によって起こり、変化して消えています。

自我が作り上げた虚構を見破ることができた時、過去・現在・未来はなく、存在という永遠の光だけがあります。

それは、時空を超えた今ここにあります。
怒りの感情とともに、そこに付随する様々な感情を純粋意識で自覚した時、否定的に思えたエネルギーは、肯定的なエネルギーに変容します。

湧き上がる攻撃的なエネルギーを自覚できると、情動のエネルギーに巻き込まれなくなり、その人は変容します。

人間は、まわりにエネルギーの波動の場を作っています。
相手が優しいと気分がよく、相手が敵意や怒りを持っていると気分が悪くなります。

相手の低次のエネルギー場と同じエネルギーを自分が持っていると共鳴して、感情が揺れ動いてしまい自己の中心を保てなくなります。

人々の心的エネルギーが環境に影響を与えて、エネルギーの場を形成しています。

怒り、憎しみ、恐怖、悲しみは愛の扉の鍵であり、心を開いて自分の傷つきやすい感情をあるがままに受け入れると、本当の自分に出会う機会(チャンス)になります。

否定的に思える体験には、真実の愛に目覚めるというまったく新しい次元が隠されています。

一つだったものに境界線を引くと、境界線上で問題が生じます。

自我が作り上げた境界線上には恐怖や怒り、無力感、が発生し、外側の世界の国境線上でも紛争が絶えません。

境界線が消えると、外と内の区別も消えて世界は、一つに戻ります。
心の中にある境界線に実態はないので、気がつけば境界線は一瞬にして消えます。

怒りや憎しみを他人に投影して行動せず、攻撃的なエネルギーを生命力に変容出来る人々が増えてきて、それがある臨界値に達したときに社会は根本的に変容します。

成熟した社会への道は、個人の意識の成熟と切り離せません。

怒りのエネルギーを誤用すれば破壊をもたらしますが、それに気づけば世界の再生をもたらします。

すべての人の心に愛と智慧は備わっています。

あとは、本当の自分に気づいて偽りを見破るだけです。

「怒りや欲望やその他の激情に支配される者は、あらゆる点から見て奴隷である。自由を獲得するために魂は奴隷状態から解放されなければならない」(プラトン)

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清水友邦 ユーチューブ・インタビュー

自我と悟り・覚醒

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