世界に愛されようとすると、足りなくなる。
切なさはそこからやってくる。
世界を愛そうとすればいい。
満ちることが出来るために、辿れなかったすべての道を、慈しみながらもう一度辿ってごらん。
すべての道を愛せる頃、私達はまたもう一度つながり直すだろう。
ピアニッシモで鳴り続ける微かな音楽を聴くように、力を込めることなく自然に紡がれ続ける日々と共鳴していなさい。
聴き逃してしまいそうな小さな心のウタを、塗り潰すことのない繊細さで掬い取りなさい。
藝術は見えない世界を描くための筆だから。
聴こえない世界を辿るための標だから。
現れたものをできるだけそのままに、ただ顕せしめて、そっとそこに置けばいい。
薄明とともに世界が起き出す頃、誰かがそれに気が付き、知らぬ間にそれは道標となるだろう。
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